就活を始めると、よく「自己分析」という言葉を聞くと思います。私が数年前に就活生だった頃も、色々な人が「自己分析は大切!」「自己分析は早めに始めたほうがいい!」などと発言していました。
しかし、就活を始めたばかりの人のほとんどは自己分析が何なのか理解できていないと思います。私も当時は全く理解しておらず、自己分析が重要だなんて思っていませんでした。ですが、これを後回しにした私は最初の選考で全敗…。「もっと早くから自己分析をしときゃ良かった…」と後悔したものです。
そこで、ここからは自己分析をする目的や、自己分析をするための具体的な3つの方法を紹介していきたいと思います。特に自己分析は、なぜ行わなければならないのか目的が分かっていないと、ただ自分の過去を振り返るだけで意味のないものになってしまいます。しっかりと基礎知識を付けていきましょう。
就活生が自己分析をする目的
私が就活生になったばかりの頃は、「自己分析?何それ?自分の過去を振り返るの?でも俺って特に何も誇れることしてきてないから意味なさそう…」と思っていました。この時は全くと言っていいほど自己分析の重要性が分かっていなかったのです。
しかし、実際に選考が始まったことで、やっと自己分析が大切なんだと気付かされました。自己分析をする目的とは、企業の選考時に自分を最大限アピールするための材料を集めるためです。そして、アピール材料をどう料理して魅力的な言葉に変えるかも自己分析の作業に含まれています。
企業の選考には、履歴書やエントリーシート、面接があります。そして、これらすべてで自分をアピールする必要があります。よって、就活生なら少しでも早く自己分析を行い、自分の魅力を発見して、面接官にどう伝えるかを考えなければならないのです。
もし自己分析を疎かにしていると、自己PRは書けませんし、志望動機だって自分の強みを絡めることが多いのでうまく書けません。また、エントリーシートなんかはすべての項目で自分のアピールポイントを記入するようなものなので、自己分析を甘く見ていると全く魅力のない提出書類に成り下がります。
さらに、面接においては自分で自分の強みを理解していないと面接官にアピールポイントを説明することが出来ず、内定を獲得するのが困難になります。
自分をアピールするには、具体的な数値や具体的な経験で説得力を持たせる必要があります。説得力が付いて初めて、自己PRは完成します。そのため、しっかりと自己分析をして自分のアピールポイントを確立させる必要があるのです。これが出来なければ、選考のスタートラインに立つことは出来ません。
自己分析のやり方3つの方法
自己分析と言っても様々なやり方がありますが、その中でも王道な自己分析の方法を3つ紹介していきます。
1.メモリーツリーによる自己分析
メモリーツリーで自己分析をするメリット
メモリーツリーというのは、以下のようなものです。
自分を中心にして、関わりのある事柄を周りにどんどん書いていくものです。メモリーツリーで自己分析をするメリットは、手が止まらないことです。
実は私は一番最初に自己分析をした時は自分史で過去を振り返る方法を取っていました。しかし、あまりに過去に成し遂げたことがなかったので、自身を失い、手が止まってしまいました。
しかし、メモリーツリーの場合は時系列で事柄を書く必要がありません。自分に関わりのあることを思いついた順に書いていけるのです。そのため、自分史が作れなかった私でもスムーズに自分のアピールポイントを見つけ出すことが出来ました。
メモリーツリーで自己分析をする方法
メモリーツリーを作成する時は、基本的に自分に関わる事柄を好きなように書いていけばいいのですが、中学生や高校生の時のことはあまり書かないほうがいいです。なぜなら、就活では現時点での自分をアピールする必要があるからです。
そのため、メモリーツリーに書いていく事柄は、大学・大学院・専門学校の自分に関わることにしましょう。例えば、学業・ゼミ・サークル・アルバイト・ボランティア・その他成し遂げたことなどです。
最初は手探りで書いていくことになりますが、書くにつれて頭の中が整理されていくと思います。思い付いたことはどんどんと書いていきましょう。ちなみに、以下のものは私が実際に書いたメモリーツリーの一部です。
実際に書いたボリュームはこれの4倍くらいはありましたよ。一度書くとどの項目がどのように関連付いているのかが一目瞭然なので、直観的に分かりやすいです。是非試してみましょう。
2.自分史を作る
私には合いませんでしたが、自分史を作成して自己分析を行うのは多くの先輩がおすすめしていました。
自分史を作るメリット
自分史で自己分析を行うメリットは、自分の行動や実績が、どのような流れで行われてきたかを時系列で把握することができる点です。
何をするにも何を成し遂げるにも、それまでの過程があるはずですよね。そして、その過程が明確に分かっていると、エントリーシートや面接で自分をアピールする時にとても役立ちます。例えば、過程が分かっていると「私は2年間○○のような活動を続けてきたので、○○を達成できました」と言えます。
『』の部分でも言いましたが、自分をアピールするためには説得力を持たせなければなりませんから、「過程」というのは説得力のある自己PRを作るための大切な材料なのです。
自分史の書き方の具体例
自分史は闇雲に作っては良いものは作れません。そこで、私がおすすめする自分史の作り方は、学業(ゼミ)・サークル・アルバイト・ボランティアなどを分けて、それぞれで自分史を作っていく方法です。また、最初はあまり過去にさかのぼることはせず、大学生活から書いていきましょう。
【学業】
- 大学1年:○○学部○○学科所属
- 大学2年:地質などの地球環境に興味が出てくる
- 大学3年4月:地質科学のゼミに所属
- 大学3年10月:環境問題に興味を持っていたため、研究テーマは○○にした
- 大学4年:○○の研究を開始。今後は○○のような研究も行っていく予定
【サークル】
- 大学1年:高校からテニスをしていたこともあり、テニスサークルに入部。レギュラーになるため、友人との定期的な練習や自主練で壁打ちを始めた
- 大学2年:特に何も考えず、なんとなくサークルに打ち込んでいた
- 大学3年:2年自主練を続けることで、レギュラーに抜擢される。また、試合ではベスト○位という成績を残す。また、幹部を担う。
【アルバイト】
- 大学2年:小学生の頃に水泳を習っていたことから、プールの監視員のアルバイトを始める
- 大学3年:このバイトを通して、利用客に注意を促す時はその人の目線に立って伝えることが大切だと感じた。今後仕事で取引先などのお客様と接する時も、その人の立場や意見を考慮して関係を築いていきたいと思った
上記の具体例は私のものですが、すでに自分のアピールポイントが分かっているからこそピンポイントで書けています。初めて自分史を作成する人は何から書けばいいか悩むと思いますが、思い付いたことなら些細なことでもいいのでどんどん書いていきましょう。
また、書くことは「○○が出来なかった」のようなネガティブなことは避け、「○○を達成できた」のようなポジティブなことばかりを書くようにしましょう。通常ネガティブなことは面接等では隠すことになるので、自分史に書き落としたところであまり役に立ちません。
エントリーシートや面接でよく聞かれる「自分の短所」や「人生で一番失敗したこと」については個別に考えれば良いと思います。
3.市販の面接質問集を使う
「就活を始めたばかりの時に面接質問集を使うなんて早すぎる!」なんて思ってはいけません。面接質問集を使う方法は私が行っていたおすすめの方法です。
詳しく言うと、メモリーツリーで、ある程度自己分析をした後に使っていたのですが、実際に面接で問われるであろう質問の答えを考えることで、自然とレベルの高い自己分析が行えます。
面接質問集を使うメリット
もしかしたら、面接質問集を使って質問の答えを考えることが、自己分析を完了させるための最短の方法かもしれません。
そもそも自己分析は何のために行っているのか。それは、面接やエントリーシートで自分をアピールするためです。だからこそ、逆算していきなり面接質問集に取り掛かり、質問の答えを作っていくのです。
もちろん、最初はなかなか思いつかないと思いますし、不完全な答えが出来上がると思います。ですが、何度も何度も考えていくことで、完成度は高まり、最終的には面接の答えとして使える確固たる文章が出来上がります。
また、面接の質問の答えが作れるようになると、エントリーシートの作成も楽になります。どうしてかというと、エントリーシートで問われる質問というのは、だいたい面接の時の質問と被るからです。こうしたことからも、市販の面接質問集を使うことは理に叶っているのです。
面接質問集で自己分析をする方法
私が使った面接質問集は、「ダントツ面接+エントリーシートズバリ必勝対策」でした。
本屋に行けば売っています。面接で聞かれる質問が50個ほど書かれてるものです。本自体はコンパクトで簡単に持ち歩けます。
具体的な使い方としては、それぞれの質問に対して
- その質問の答え
- 答えに説得力を持たせるための具体的な出来事・エピソード
の2つを答えるだけでOKです。
例えば、「長所は何ですか?」という質問があったら私の場合、
- その質問の答え⇒継続力があること
- 答えに説得力を持たせるための具体的な出来事・エピソード⇒テニスサークルでレギュラーになるために2年間自主練を続けた
だけを書きます。もちろん他にも長所があれば、それをメモしていってください。
注意しなければならないのは、決していきなり完成度の高い文章を作ろうとは思ってはいけないことです。最初から完成度の高いものを目指してしまうと、続かずに途中で挫折してしまう可能性があります。少しずつでいいので、どんどん進めていきましょう。
まとめ
自己分析は非常に大変な作業ですが、始めに自分のアピールポイントを確立させることが出来れば、あとはどの企業の履歴書やエントリーシートでも使いまわすことが出来るので楽です。大変なのは最初だけです。
ここで改めて自己分析の3つの方法を確認します。
- メモリーツリー
- 自分史
- 面接質問集
これら1つを選んで徹底的にやり込むのもいいですし、複数を組み合わせて自己分析をするのも良いです。私の場合はメモリーツリーで自己分析をした後に、さらに面接質問集を使ってアピールポイントの完成度を高くしていきました。自分が一番進めやすい方法で取り組んでいきましょう。
『面接の質問に丸暗記はダメなのか?私が志望動機や自己PRを丸覚えした結果について』