2015年度の介護報酬改定のメリット、デメリットについて。

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新聞を読んでいると、

「介護報酬改定!」

「介護報酬が引き下げられる!」

と書かれていたので、「何事だ!介護で報酬が下がるって何か悪そうだ!介護業界大丈夫か!?」と漠然と思ってしまいました。

しかし、よく読んでみると、悪いことではないようです。

ここでは、2015年度の介護報酬改定がどんなものかについて噛み砕いて書いていきたいと思います。

まずは「介護報酬」について図解で知る

介護報酬の図解

介護報酬とは?

介護報酬というのは、“介護サービスを行う施設”が受け取るお金です。

このお金で、

  • 施設の運営
  • 従業員への給料支払い

などを行います。

介護報酬の内訳

介護報酬は、

  • 介護保険(市町村の税金+40~64歳が支払う介護保険料)=介護報酬の9割
  • 介護利用者の負担=介護報酬の1割

によってまかなわれています。

※今後は“介護利用者の負担”が、一定以上の所得がある人に限って1割から2割となります

介護保険の仕組みがあるから、介護利用者は少ない料金で介護を受けることが出来るのです。

介護報酬が引き下げられた分はどこに分配されるか?

介護報酬が下がったら、介護関係の仕事をしている人たちの給料が下がるように思ってしまいますが、そうでない人もいます。

介護施設で働く従業員の給料をアップさせる制度を作った

近年、介護の仕事をする人たちは「仕事の負担が大きいわりに給料が低い」と言われていました。

以前は介護報酬をアップさせることで従業員の給料もアップするだろうと思われていましたが、介護事業者がちゃんと分配しないこともあり、給料はほとんど変わりませんでした。

介護報酬を上げたのに、給料が上がらない…

このような矛盾が起きたのです。

そこで、今回の改定で介護報酬を下げ、代わりに従業員専用の資金を作ったのです。

これによって、常勤職員は1人当たり、月1万2000円ほど給料が上がることになります。

宿泊系の介護よりも在宅の介護の報酬をアップ

現在は介護施設が足りないこと、今後の社会保障費では追いつかないことから、必然的に在宅介護の重要性が増してきています。

そこで、老人ホームなど宿泊系の介護の報酬が下がり、逆に在宅での自立した生活を目指すデイサービス(短期間施設に移動して介護すること)などの報酬が上がります。

今は介護をする家族の負担も社会問題になっているので、早急に在宅介護サービスを充実させる狙いもあるのでしょう。

介護の質を充実させる対応を取っている施設は報酬が増える(=介護利用者の負担が増える)

例えば、

  • 職員に、認知症対応の研修を行った場合
  • 宿泊系の介護施設が、夜間対応を充実させた場合
  • 介護職員の待遇を改善した場合(給料アップなど)

などの対応を介護事業者が行うと、報酬がアップされます。

(=介護利用者の負担は増えることになります)

介護報酬引き下げによるメリット

介護報酬が下がるということは、単純に介護報酬を支払っていた人たちの負担が下がります。

具体的には、

  • 市町村の税金の節約になる
  • 40~64歳の介護保険料を払っている人の負担が減る
  • 介護サービス利用者の負担が減る

です。

介護報酬引き下げによるデメリット

介護施設を運営する事業者の利益が下がります。

特に、老人ホームのような宿泊系の介護サービスを展開している施設の利益は下がります。

今後事業者の人たちは、サービスの充実やこれまでとは違った視点での介護サービスを強いられます。

さて、この改正により、賢い事業者が多くのお客さんを獲得して事業を拡大し、適応できなかった施設はなくなっていくと考えられます。

介護サービスがよりよいものになっていくことを望みます。

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