国家公務員を対象に、7月1日から「ゆう活」が始まりました。
ゆう活は通常よりも出勤時間を早め、早めに仕事を切り上げて仕事後の時間を有意義に使おうというものです。
一見素晴らしい施策に見えるのですが、時間が経つにつれて失敗に終わると思っています。
ここでは、その理由について書いていこうと思います。
ゆう活のメリット・デメリット
メリット
日本人はもともと働き者です。
そのため、長時間労働になりやすいのです。
ですが、ゆう活がうまく機能すれば残業する人が減り、プライベートの時間が増えます。
すると、
- 子供がいる場合はコミュニケーションが取れる
- 家族の時間が増える
- 趣味に充てられる時間が増える
のように、生活が充実するのです。
デメリット
ゆう活は明らかに一方的な施策です。
確かに、働き者の日本人の残業を減らすためにはある程度の強制は必要だと思いますが、国家公務員の中にはゆう活が出来ない人がいます。
仕事量が多いと残業せざるを得ないのです。
それなのに、そうした人たちもゆう活に巻き込むのはただのいじめです。
早朝出勤をさせることで勤務時間を増やす結果となっています。
なぜ柔軟な考えが出来ないのか?
国家公務員をひとくくりにして施策を講じるから不満が出てくるのだと感じます。
たとえ国家公務員だとしても、残業せざるを得ない人は例外にして、ゆう活は任意にすれば良いのです。
ただ、ひとくくりにする理由も分かります。
きっと、「国家公務員全体がゆう活をすることでインパクトを高め、他の民間企業にも広めよう」とでも思っているのでしょう。
そのためには例外なく「国家公務員全体が!」としたほうが強い印象の見本となります。
利口ではないですが。
ゆう活は失敗に終わる
私は、ゆう活は失敗に終わると思っています。
これは、時間が経つにつれて問題が蓄積されていきます。
失敗パターンは2つあります。
- 強制帰宅で仕事が蓄積し、パンクする人が増える(サービス残業が増える懸念)
- 結局仕事が終わらず、残業せざるを得なくなる(結局ゆう活できない)
どちらにしても、仕事を時間内にこなせていないことが原因です。
仕事の効率が悪い人はこの失敗パターンに陥りますが、通常と同じように仕事をしている人でも失敗パターンに陥るのではないでしょうか?
ゆう活は、簡単に言えば勤務時間を1時間ほど前倒ししただけ。
これまで残業が当たり前だった人が、少し朝早くから仕事を始めたところで残業が減るのでしょうか?
物理的に考えて無理です。
「早く仕事を始めれば早く帰れる」
この考えは幻想です。
普段定時に帰ることが出来ていない人は、ゆう活スタイルに変えたところで早くは帰れないのです。
もし早く帰れたとしたら、それは“本来残業して終わらせたい仕事を残している”からです。
どこかにこの負担がのしかかってくることでしょう。
見かけ倒しのゆう活がどこまで続くのか見物
ゆう活はそう長く続かないことは分かっています。
いったいどこまで続くのか見物です。
今必要なのは、ゆう活ではなく、普段の残業をどう減らしていくかです。
そして、普段出来ていないことは、短期間的にやろうとしても出来るわけがなく、根本的な解決にもなりません。
残業という日本の問題に対して何か対策をしたいのは分かりますが、意味のないことはしなくていいと思いました。