就職活動をしていくと「グループワーク」や「グループディスカッション」といった言葉を聞くことがあると思います。
最近の多くの企業は、これらを選考途中でよく取り入れているなと感じます。
ここでは、「グループワーク」と「グループディスカッション」がどういったものなのか?また、どんな違いがあるのか?について書いていこうと思います。
「グループワーク」って何?
グループワークとは、「その場で集まったグループのみんなと力を合わせ、出題されたミッションをクリアする選考」のことです。
グループの人数は4~10人で、企業によって様々です。
内容についても、高度な計算が求められる問題やポスターを作る課題など、種類は様々で、よく考えられています。
また、特徴としては1人1人が協力せざるを得ない状況に置かれます。そのため、グループに消極的な人がいると不利になります。
始まる前に、人事の方から「あらかじめ役割を決めてください」と言われたりもしますよ。
※役割といっても「司会・書記・タイムキーパー」など基本的なものから、「まとめ役・作成役・営業役」など変わったものもあります
他には、“課題を進めるために必要な情報”の伝達手段が条件付きで制限されていたり、「もどかしいな」と感じることが多かった印象です。
※情報の伝達手段が条件付きとは、例えば、グループごとにいくつかの情報が記されたカードを持っていて、他のグループと交換できるが、同じ属性のものでないと交換できなかったり。グループ内の各メンバーが複数枚のカードを持っており、口頭でカードの情報を伝えることは出来るが、直接見せてはいけなかったり。様々です。
私のグループワーク体験談
私は、2回グループワークを経験しました。1つは電力会社(ベンチャー企業)で、もう1つは大手通信会社の技術職です。
『ベンチャー企業とは?何をもってそう呼ぶのか?定義はあるのか?』
電力会社(ベンチャー企業)のグループワーク
内容は『体験談|1月の就活の選考が全敗した原因と失敗して分かった対策』のページにも書いてあります。
以下、抜粋です。
電力会社(ベンチャー企業)
この企業は、1次選考で履歴書とエントリーシートを提出すると同時に、4人1グループでグループワークをすることになっていました。
グループワークのルール
多くの企業でのグループワークは、ルールが指定されています。ゲーム感覚に近いかもしれません。ただ、お遊びのゲームとは全く違って、かなりレベルが高い印象でした。私のような自己主張が出来ない人は撃沈すること必至です。
【グループワークのルール内容】
- 4人で1つのグループ。
- 1人1人に、自分しか見ることの出来ないカードが10枚ある。
- ただ、口頭でなら他の仲間にカードの内容を伝えてもいい。
- カードに書いてあるヒントを頼りに、与えられている問題を解いていく。
この時の問題は計算問題でした。企業の利益関係を問うもので、これまで聞いたこともないような計算方法や言葉がバンバン出てきてチンプンカンプンでした。
グループワークの途中経過
グループワークやグループディスカッションをする時は、最初に役割を決めることが定石です。
この時も、まずは役割を決めました。役割というのは、
- 司会
- 書記
- タイムキーパー
の3つのことです。
ちなみに私はというと、まわりに引っ張ってもらう始末。なんの役もしませんでした。全くと言っていいほど積極性が出せませんでした。
この日のグループワークでは、6つのグループで競い合ったのですが、この6つのグループに対して採点官は4人。それぞれが各グループを巡回して、持っているボードに何かを記入していました。それぞれの受験者について、気になったところや点数を記入していたのでしょう。
制限時間が来て、6つのグループの代表者が前のホワイトボードにそれぞれ計算の答えを書いていきました。結果は、6つのグループとも導き出した答えは不正解。それだけ難易度が高かったと言えます。利益の計算や専門用語なんて知らないんですから、「こんなん解ける人いんの?」とかなり疑問に思ったのを覚えています。
電力会社(ベンチャー企業)の選考の結果
落ちました。反省点としては、グループワークでまったく積極性が出せていなかったですし、提出物(履歴書&エントリーシート)も良くありませんでした。一緒に受けていた友人は受かり、次の選考に進んでいました。
その友人とは別のグループだったのですが、かなり積極性がある人です。こうしたことから、グループワークでは、計算が合ってる合ってないより、どれだけ集団の中で協調性が出せるかが重要だと言えます。
大手通信会社の技術職のグループワーク
内容は『2月のスケジュールは就活の嵐到来か?会社説明会と選考の数が大幅増。手帳の内容公開!』のページにも書いてあります。
以下、抜粋です。
2月3日13:00~ 某有名通信会社・技術職のグループセミナー
これは選考とは関係ありませんでしたが、グループワークをさせられました。
グループワークの内容
- ポスター作成
【グループワークのルール内容】
- 住民に支持される企業を創るために、どんな事業を展開するべきか、用意された資料のデータや情報カードを元にポスターを作っていく。
- 10人1グループで、全部で7つのグループがある。
- 1つのグループの中で、3人が発表役、3人がポスター作成役、4人が営業役と、役割をあらかじめ決めておく。
- 資料については同じものが全グループに用意されている。
- 情報カードについては、違うものをそれぞれのグループが複数枚持っている。
- 営業役は、自分たちのグループが欲している情報カードを他のグループの営業役と交換するのが役目。
- ただし、カードには情報のジャンル別に属性が決まっており、営業役は同じ属性同士でないと交換できない。
- また、カードは交換する以外に、他のグループに直接見せることができない。しかし、口頭でなら情報を伝えることが出来る。
- 営業役はいかに、自分たちのグループが目指す事業に関わる情報カードを手に入れ、内容の濃いポスターが作れるよう手助け出来るかがポイント。
私は営業役を行った
ポスター作成にはもちろん時間制限があるので、営業役はどんどん積極的に他のグループと接触し、情報カードを探さなければなりません。
ただ、営業役が相対的に多いことと、カードの種類が多いこと、みんな動き回ってどこのグループの人に聞いたかが分からなくなってしまったことで、数枚分の情報を手に入れることしか出来ませんでした。
これについては多くの人が苦労していました。
結果
4人の営業役が集めてきた情報と、もともとあった資料を元に、なんとかポスターが完成しました。ポスター作成には特に正解はないので、それぞれのグループが思い思いのポスターを発表していました。
中にはデザイン性の高い、カラフルで見やすいポスターを作っているグループもあり、感心しました。
「グループディスカッション」って何?
グループディスカッションとは、「1つのお題に対して、みんなが話し合い、最終的に1つの結論を導き出す選考」のことです。
グループワークと似ていますが、結論に至るまでに色々なプロセスを踏みます。
あるお題に対して、それぞれの参加者が意見を出します。それらの案をまとめたり発展させたり、またお題を違う視点からクローズアップしたりして、最終的に自分たちなりの結論を導き出していきます。
大抵の場合、役割を決めます。基本的には「司会」「書記」「タイムキーパー」の3つがあります。一番楽なのは「タイムキーパー」です。
私の体験談
私は今までに2つの企業でグループディスカッションを経験しました。1つは空調清掃会社(ベンチャー企業)で、もう1つは市役所(公務員)です。
空調清掃会社(ベンチャー企業)
ここでのグループディスカッションは説明会の後に、練習として行われました。このように説明会の時にグループディスカッションの体験の場を設けてくれる企業も多かったです。
この時のお題は
「あなたが今、経営者だとします。現在経営難です。そしてあなたの部下は幹部10人と他の社員10万人。今後立て直すためには社員を解雇する必要があります。給料が高いが能力のある幹部を10人全員解雇すれば、他の社員10万人が解雇されずに助かります。逆に、給料は低いが能力が乏しい社員10万人を解雇すれば、幹部は10人とも助かります。あなたには選択肢が“幹部10人解雇”か“社員10万人解雇”の2つしかありません。どちらを選びますか?」
こういったものでした。非常に難しいものでこれは「トロッコ問題」と言われています。答えがあるわけではないので、どう考えるのか発想力を見ているんだと思いました。
市役所(公務員)
内容は『8月は公務員の勉強を見直し!そして先月の市役所1次試験の結果は合格という知らせがっ!』のページにも書いてあります。
以下、抜粋です。
グループディスカッション開始
時間が来て、私たちのグループは選考をする部屋に通されました。
部屋には採点官が3人。私たちは8人のグループです。
採点官:「これからグループディスカッションを始めてもらいます。時間は全部で30分。最初の5分程度で机の上の資料を読んで、問いに関する自分の考えをまとめてください。5分経ったらそれぞれ1人ずつ考えを発表してもらいます。その後は残りの時間で話し合ってもらいます。始め!」
私はまず「始め!」と同時に時計のタイマーで時間を測り始めました。
また、この時のお題は「高齢者が住みやすい街をつくるためにはどうしたらよいか?」でした。
私は最近、新聞で高齢者に関する記事をいくつか読んでいたので、それを参考に対策などをまとめて発表しました。
まとめ
私の経験から言うと、グループディスカッションよりもグループワークのほうが難しいと感じました。
グループディスカッションであれば、お題が決められているだけで、それに対してのアプローチ方法・観点は私たちが決められます。非常に自由度が高いのです。
逆にグループワークはプリントやカード、ルールが用意されていたり、計算が必要だったり。あらかじめ決められている枠組みの中で進めていかなければならないので、自由度が低いです。より個々の能力が試されると感じました。
しかし、どちらにしても自分がしっかりグループ内に参加できているかが重要です。
採点官からすれば、グループを外からちょっと見てれば誰がどんな人なのか一目瞭然なので、当事者は積極的に自分の意見を発表する必要があります。結果より経過(プロセス)が大事です。